飴玉がりがり

輪るピングドラムを噛み砕く記録

プリクリ様解剖学<輪るピングドラム考察>

 解剖学とは大げさなことを言いましたが、要はプリンセス・オブ・ザ・クリスタル(以下、プリクリ様)の正体について、私自身が考えていることをまとめておこう、というのが今回の記事の趣旨です。

もちろん、原作ではその正体については明確に語られておりませんので、あくまで一個人の意見としてお読みください。

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端的に言えば、「陽毬と桃果のハイブリット人格」なのだろうなあと思っています。

プリクリ様はたびたび「闇兎」という言葉を口にするんですが、闇兎の正体は16年前の事件の際、眞悧と対峙した桃果しか知りえないんですよね。

 

 ではプリクリ様の正体は桃果なのか。もちろんそう考えても間違いではないとは思います。だって原作で明言されてないんだもの。

ただ、やはりプリクリ様の人格は陽毬の人格をベースに形作られているのではないか。そう感じるような点がいくつかあるのです。

 

12話や20話などで、たびたび姫言葉(「~なのじゃ」)になること。

そもそも「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」ですよ。クリスタルには「水晶」や「クリスタルガラス(の略)」といった意味があるそうですが、へえ…水晶…へえ…。

陽毬にとっての運命の人が晶馬であることは全話ご覧になった方はもうご存じかと思いますが、もしかしたらプリンセス・オブ・ザ・クリスタルは「晶馬にとってのお姫様でありたい」 という陽毬の願望の象徴なのでは…と思ったりします。全部憶測ですけど。

余談ですが、24話のクリスタル・ワールドで冠葉に近づくにつれてドレスがぼろぼろに破け裸になる陽毬のシーン、以前は「心を裸にしていく」という意味だったのかなあ…と思っていたのですが、ふと、晶馬のお姫様になることではなく冠葉へ愛を返すこと(晶馬のお姫様にはならない道)を選択した意志の表れなのかなあ…と思いました。数日前に。

また、スタッフチームの設定の話をすると、クリスタル・ワールドのバンクシーンの序盤で登場する青い星(?)は「陽毬の星」と呼ばれているそうな。(出典:『アートオブピングドラム』/幻冬舎コミックス)

同書の柴田勝紀氏のインタビューによると、バンクシーンは「陽毬の心の中に入っていく」というイメージのもとに構想されたという。

 

やはり陽毬がベースなんだよなあ。でも指令はおそらくペンギン帽である桃果が出している。 

 

そう考えると、9話の「ダメ」を言ったのは桃果の意思なのか?とも思うのですが、9話に関して言えば、あの回は一貫して陽毬の人格(陽毬の夢のなか、眞悧と陽毬との対話・交渉)だったようにも感じ取れるので、そこは濁しておいていいのかもなあ…とは思います。

個人的にはどちらでもいいし、どちらでもおいしいです。

 

※図で用いたパソコン用語はあくまでイメージしやすいように例えたものなので、厳密に正しい意味ではないかもしれません。ご了承ください。